障害者向け住宅施策に関する問題2級

UR賃貸住宅では、障害者および障害者を含む世帯に対して、新規賃貸住宅募集時の当選倍率を優遇するとともに、一定の要件を満たせば入居収入基準を緩和している。また、現在UR賃貸住宅に居住している人が、高齢、障害、疾病または要介護などを理由として階段の将校に支障をきたし、階下の住宅への住み替えを希望する場合に、同一団地内の1階またはエレベーター停止階の住宅をあっせんしている。

「居住支援協議会」は、「住宅セーフティネット法」に基づき、障害者など住宅の確保に特に配慮を要する人が民間賃貸住宅へ円滑に入居できるよう、都道府県・市町村や不動産関係団体、居住支援団体などが連携して組織しているもので、入居可能な民間賃貸住宅の情報提供や相談対応などを行っている。

「介護保険法」による「サテライト型住居」は、共同生活を営む「グループホーム」の趣旨を踏まえつつ、地域で障害者向けの多様な居住の場を増やしていくという観点から新設された住居形態であり、障害者で要介護・要支援認定を受けた人が利用できる。入居者間の交流が可能であることなど本体住居（グループホーム）との密接な連携を条件として、ユニットなど一定の設備基準を緩和しており、民間賃貸集合住宅の一室なども利用することができる。

「福祉ホーム」は、ある程度の自活能力はあるが、家庭環境や住宅事情などにより住居の確保が厳しい障害者が地域の中で生活できるように、低額な料金で日常生活に適した居住・設備を提供するとともに、日常生活に必要な支援を行う施設である。「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律（障害者総合支援法）」に基づく市町村の地域生活支援事業における任意事業として位置づけられている。

「障害者総合支援法」では、２０１４（平成２６）年にケアホームとグループホームを一元化した。一元化後のグループホームでは、日常生活上の援助が行われる。支援は、基本サービス（日常生活上の援助、個別支援計画の作成など）の部分と利用者の個々のニーズに対応した介護サービスの部分という２階建ての構造になっている。障害支援区分によっては利用できないケースもある。

「障害者総合支援法」に基づく市町村の地域生活支援事業では、任意事業として「福祉ホーム」事業を位置づけている。「福祉ホーム」は、ある程度の自活能力はあるが、家庭環境や住宅事情などにより住居の確保が難しい障害者が地域の中で生活できるように、現に住居を求めている障害者に対して、低額な料金で日常生活に適した居室・設備を提供するとともに、日常生活に必要な支援を行う施設である。

地域生活の移行をめざしている障害者や、一人で暮らしたいというニーズをもつ障害者もいることから、「障害者総合支援法」では２０１４（平成２６）年、一人暮らしに近い形態の「シルバーハウジング」を創設した。入居者間の交流が可能であることなど本体住居（グループホーム）との密接な連携を条件として、ユニットなど一定の設備基準を緩和しており、民間賃貸集合住宅の一室なども利用することができる。

「サテライト型住居」は、１９８７（昭和６２）年に制度化された「サテライト・プロジェクト」によって供給される高齢者向けの公的賃貸住宅で、住宅施策と福祉施策の連携により実施されている。「サテライト型住居」では、事業主体の長が特に必要と認める場合には、障害者世帯の入居も可能としている。