段差の解消に関する問題2級

屋外の段差のには、門扉周辺部分から玄関までのアプローチ部分の段差、玄関ポーチ部分の段差、玄関戸の下枠段差など多くの段差がある。「建築基準法」では、地面からの湿気を防ぐために、1階居室の木造床面は原則として直下の地面から450㎜以上高くするように定められており、多くの住宅は、屋外から屋内に入るまでに2～3段の段差を設けている。

屋内では床面と式糸の段差を解消するのが最適であるが、実際の工事では段差を完全に解消することは困難である。「住宅の品質確保の促進などに関する法律」に基づく「日本住宅性能表示基準」では、5㎜以下の段差は許容しているので、工事完成後に苦情が出ることを避けるため、5㎜以下は「段差なし」の意味合いであることを説明し了解を得ておくことが望ましい。

洋室と洋室の間（洋室と廊下の間）の敷居段差は、床仕上げの見切りのために生じる。たとえば、廊下の床版がフローリングで、洗面・脱衣室が塩ビシートの場合、床仕上げを分けるために建具敷居が用いられているが、このような段差を解消するためには、床面レベルまで敷居を埋め込むか、敷居を用いずに仕上げの境目を擦り付け板で押さえる。

「スキップフロア」は、傾斜地に住宅を建てる場合や、道路に面して車庫を造った場合などに用いられる。床の高さが半階ずつずれているので、移動の際の階段昇降が多くなる。階段昇降が難しい場合には、階段昇降機あるいは段差解消機の設置の必要性が高くなる。