福祉の現代的課題と福祉コミュニティづくりに関する問題（模擬）

厚生省（現・厚生労働省）の「社会的な援護を要する人々に対する社会福祉のあり方に関する検討会」は、現代社会特有の福祉課題として、「心身の障害・不安」「社会的排除や摩擦」「社会的孤立や孤独」などを取り上げたが、これらは従来の社会福祉サービスによる現金給付では対応困難な事例であるため、ホームヘルパーやデイサービスといった個別のサービスの提供で対応すべきといえる。

法定後見制度は、保護を受ける本人の判断能力の程度に応じて「後見」、「保佐」、「補助」の3種類に分かれている。このうち「後見」類型が判断（意思）能力の低下が最も著しい状態あり、「日常生活に関する行為」を含めたすべての行為が代理権の対象となる。

孤立死の問題は、大家族制や濃密な近隣関係がある時代・地域ではあまり問題にならなかったが、それらが喪失したことで目につくようになってきた。今後も、特に高齢者や、あるいは過疎地での出来事として孤立死防止の取り組みが求められる。

各地に配置されている民生委員は2006（平成18）年度から「災害時一人でも見逃さない運動」を展開しており、一定の成果も上げているが、民生委員だけではおのずと限界があり、いかに多くの地域住民が参加した取り組みができるかが課題である。

防災については、個人や世帯単位での取り組みと、「災害対策基本法」にもとづいて行政が行う環境や体制整備の2つの備えに加えて、地域社会に期待される役割も大きい。各地域には、地方自治体の支援の下、町内会や自治会が中心になって自主防災組織が結成されている。