地域包括ケアシステムに関する問題

地域ケア会議は、2012(平成24)年度末時点では全国の約8割の保険者で実施されていたが、2015 (平成27)年度からは、地域ケア会議の開催が制度的に位置づけられたこともあり、各保険者による実施が必須となっている。

地域包括支援センターは、地域包括ケアの体制を整える地域の中核機関として、また地域支援事業の拠点として、2006 (平成18)年度から市町村が設定した生活圏域ごとに設置されている。

地域包括支援センターには、「地域包括支援ネットワーク」の構築という役割が期待されている。そのために、市町村は、支援に必要な個人情報、個人情報保護に留意しながら支援関係者間で共有する仕組みについて、センターと連携して構築することが望まれている。

地域ケア会議には、地域包括支援センターレベルでの会議である地域ケア個別会議と、市町村レベルの会議である地域ケア推進会議がある。地域ケア推進会議では、個別のマネジメントからあげられた困難事例のうち、地域ケア個別会議で対処しきれないケースについて再検討される。

地域包括支援センターで行われている介護予防支援の人員基準は、保健師、介護支援専門員、社会福祉士、経験のある看護師、3年以上の経験のある社会福祉主事のうちから「必要な数」とされている。

2015（平成27）年度から、地域ケア会議の開催は一定以上の人口規模の市町村の地域包括支援センターに限って必須となる。

地域ケア会議は、個別のケアマネジメントの中で対処が困難なものを事例として、医療や介護分野のスタッフが参加して検討を行い、それにより主として医療職と介護職の連携を深めることを目的としている。

「新しい介護予防・日常生活支援総合事業（新しい総合事業）」では、介護予防ケアマネジメントのプロセスが、❶原則的なもの（ケアマネジメントA）、❷簡略化したもの（ケアマネジメントB）、❸初回のみのもの（ケアマネジメントC）という、3つのパターンに分類される。

地域包括支援センターは介護予防支援事業所としての指定を受けており介護予防支援の業務を行っている。介護予防支援の人員基準は、保健師、主任介護支援専門員、社会福祉士を最低限それぞれ1人となっているが、小規模市町村については例外措置がある。

地域包括支援センターは、地域包括ケアの体制を支える地域の中核機関として、また地域支援事業の拠点として、各市町村に1つずつ設置されている。