孤立死の防止に関する問題

孤立死の防止は、現代の社会福祉の中でも喫緊の課題の一つとなっている。それは、孤立死が高齢者や特定の地域だけではなく、中年層も含めて我が国のどの地域でも起こっている問題だからである。

孤立死を防止するためにも国も対策を進めており、2007（平成19）年度には「孤立死ゼロ・プロジェクト」を開始し、「孤立死ゼロ・モデル事業」による自治体の取り組みのあり方の研究などを行っている。

現代社会で孤立死が大きな問題として取り上げられてきた背景の一つとして、それまでは大家族制や濃密な近隣関係により問題にならなかったが、それらの喪失によって問題視されるようになってきたことが挙げられる。

孤立死防止については、これまで厚生労働省をはじめ各省庁が独自にさまざまな取り組みを進めてきたこともあり、複雑なしくみになってしまっている。今後はそれらを一体的に示すような法令の整備を進めることが課題となっている。

孤立死防止のために福祉住環境コーディネーターができることとして、外出しやすい環境づくり、あるいは地域活動の拠点整備等での役割の発揮が考えられる。特に、拠点整備では、既存施設の有効活用のために、高齢者に配慮した改修の提案や活用可能な建物の探し出しなどが期待される。