地域福祉の推進とコミュニティーに関する問題

第二次世界大戦以前には、独立して生活するのが困難な人に対する社会的支援策はあったが、適用条件が厳しかった。しかし、戦後「日本国憲法」に国民の最低限の生活保障に対する国の責務が明記され、様々な社会福祉制度の整備が進められた。

一般に「コミュニティ」と言う言葉は、共同性と地域性を含むものとして使われてきたが、「ネットコミュニティ」のような「コミュニティ」は、地域性を求めず、特定の機能や関心の共通性にのみ着目した、いわば新たな「コミュニティ」の概念と言える。

福祉コミュニティづくりと住民参加の関係では、当初は地域内で孤立している状態であった要支援者が、やがて住民参加が進み多くの地域住民が民間のサービスやサポートに参加することで、地域の中に包括された「支援すべき特別な存在」となるのが理想的な状態と考えられる。

社会福祉の増進に関する地域住民の法律上の位置づけは、1951 (昭和26)年の制定当時の「社会福祉事業法」では特に示されておらず部外者扱いであった。しかし、1990 (平成2)年に同法が改正された際には「理解者・協力者」となり、さらに2000 (平成12)年に同法が「社会福祉法」に変更されたことで「主体」へと移り変わってきた。

1990年代に入ると、社会福祉に対する住民参加が拡大した。1992 (平成4)年には、「社会福祉に関する活動への住民の参加のための援助」が市町村社会福祉協議会の事業として法定化され、社会福祉協議会によるボランティア活動推進の取り組みが強化された。

地域福祉とは「地域における社会福祉」のことであり、2つの意味が込められている。その1つは、「地域社会によって行われる社会福祉」という意味であり、すなわち地域住民が参加して住める社会福祉活動ともいえる。

1990年代は、社会福祉に対する住民参加が拡大した。中でも1992 (平成4)年には、「社会福祉に関する活動への住民の参加のための援助」が市町村社会福祉協議会の事業として法定化され、社会福祉協議会によるボランティア活動推進の取り組みが強化された。

社会福祉の増進に関わる地域住民の法律的な位置づけは、1951 (昭和26)年の「社会福祉事業法」制定時以来、長らく「部外者」とされていたが、1990 (平成2)年の同法改正時にようやく「主体」と位置づけられた。

「地域福祉」という言葉は、実践の場や、研究の場面ではよく使われていたものだが、「社会福祉法」が制定され、法律の文言の中に初めてこの言葉が登場することになった。

1990 (平成2)年に行われた「福祉関係八法改正」では、高齢者・身体障害者の措置権が都道府県・ 市から市町村へ移行された。また、在宅福祉サービスの法定化も行われた。