福祉コミュニティーづくりの多様な主体に関する問題

共同募金は、各市町村単位にある共同募金会が主体となって実施する募金活動である。市町村ごとに集められた募金は、全額をその市町村内の社会福祉事業者等に対応することを原則としている。

自主防災組織は「災害対策基本法」で規定された組織であり、各町内会会長(自治会長)にはその充実を図るほか、住民の自発的な防災活動の促進を図る旨の規定が定められている。

社会福祉協議会が中心となって全国各地で取り組まれている「ふれあい・いきいきサロン」の主な目的は、「場や設備の提供」と「サービス提供」である。専門性の高いスタッフが参加者に健康体操や生活相談などの様々なサービスを提供したり、講座を開催したりする活動が中心となっている。

赤十字奉仕団には「青年赤十字奉仕団」、「特殊赤十字奉仕団」、「地域赤十字奉仕団」の3種類がある。このうち、最も加入者が多いのは「青年赤十字奉仕団」であり、全国で様々な大学の学生や看護学校声などが加入している。

民生委員は、援助が必要な地域の住民の相談に応じて助言や情報提供などを行うとともに、社会福祉事業関係者と連携した事業の実施、行政機関の業務への協力など、様々な職務を担っている。なお、任期は3年で再任も可能である。

町内会は、地方によっては「区」、「地区」などと呼ばれる地縁組織である。最近では、加入していない人を見かけることがあるが、地域住民の生活に重要な役目を果たすことから、法律上は加入の義務が定められた組織である。

福祉コミュニティーづくりの観点から行われる福祉教育は、現在では学校でしか行われていない。今後は、地域において社会福祉協議会を中心に手話講座や点字講座のような特定の活動目的で行われるプログラムが必要とされている。

サロン活動とは、高齢者や障害者、子育て中の親子などが自宅を出て身近な場所に集まって行う活動のことである。各地で社会福祉協議会を中心に取り組みが進められている。

赤十字奉仕団は各自治体に置かれた組織で、福祉コミュニティづくりに大きな役割を果たしている行政機関の1つである。地域赤十字奉仕団は、災害時の組織的な支援活動や、地域で行われる防災訓練等で重要な役割を果たしている。

自主防災組織は、平常時には防災訓練、防災知識の啓発、防災点検などを行い、災害時には初期消火、避難誘導、救護、情報収集などを行う。それぞれの地域の地縁組織を基盤としているが、活動範囲に含まれる地域の世帯数はわが国の全世帯数の4割程度にとどまっている。

社会福祉におけるかつての住民参加は、一般的な事業展開の過程である〈PLAN→DO→CHECK→ACTION〉のサイクルの、「CHECK→ACTION」部分への参加ばかりに偏っていた。とりわけ行政の不正等を見つけ出して抗議活動などを行うことが多かった。

福祉教育とは、他者の課題に気づく感性を高め、課題解決のために自ら行動する力をつけること、あるいは福祉サービスを知りそのサービスを活用する力を高めることなどを目的に行われる教育実践のことである。

個々の福祉問題を解決するための最大の資源は、支援を必要とする当事者自身である。当事者が問題解決の過程で考えたり選択したりして培った力は、同じような環境条件下にある人々の問題解決や共通課題の改善に生かすことができる。その時、当事者は貴重な社会資源となると言える。

特定非営利活動法人(NPO法人)は、その目的が「『特定非営利活動』を行うことを主たる目的とすること」という条件のみ満たしていれば、都道府県又は指定都市から認証を受けることができる。

社会福祉協議会は、「住民参加を促進する役割」、「事業者の役割」、「連絡調整の役割」など様々な役割を担っているが、近年では大規模災害時に災害ボランティアセンターを設置してボランティアのコーディネーターとしての役割を担うなど、地域福祉に欠かせない中核的組織として期待されている。